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ロボアドバイザーはおすすめしない?5つの疑問と注意点

資産運用とロボアドバイザー

ロボアドバイザーはおすすめしない? 失敗が多いという意見も聞くけれど、自動でおまかせ運用して本当に大丈夫? 本当に儲かるの? など、その実力に対して半信半疑な方も少なくはないかもしれません。

岸田政権が2022年に「資産所得倍増プラン」への着手を打ち出したことで、家計の「貯蓄から投資へ」の流れの加速が促されています。これまで投資とは無縁だった人にとっては、いきなり投資をしろと言われても……という気持ちになるかもしれませんが、少なくとも、自分で資産を構築するのが当たり前の時代になっているのだということは言えるでしょう。

そんななかで、自動で資産運用プランを提案するロボアドバイザーは、気になる存在なのではないでしょうか。ロボアドバイザーサービスはここ数年で世界的に普及してきていて、2023年現在、最も利用が進んでいる米国の資産規模は、兆米ドルレベル*になっています。(* Statistaホームページより)

ロボアド運用の優位性、運用手法、ロボアド運用で失敗が多い原因、やめておいたほうがよい人などのよくある5つの疑問について、投資歴15年以上のファイナンシャルプランナーがわかりやすく解説します。

【その1】ロボアドバイザーでの運用は儲かるの?

ロボアドバイザーサービスとは

まずは、ロボアドバイザーサービスの定義からみてゆきましょう。

ロボアドバイザーサービスといっても、サービスの提供にロボアドバイザーをどのように活用しているのかはそれぞれで、人間のアドバイザーによるサービスの提供にロボアドバイザーを活用しているものもあれば、人間のアドバイザーが全く介在しないものもあります。個人でポートフォリオをカスタマイズできるものや、運用開始後も、ポートフォリオの組換えや税務面も考慮したメンテナンスなどが自動で行われるものと、それらのアドバイスを提供するのみのものもあります。

多くのロボアドバイザーサービスでは、投資資金の量と質、投資リスクの許容度や年齢などの個人の情報など、いくつかの質問が用意されていて、サービスを利用したい人はまず最初にそれらの質問に答えることから始まります。そうして個人ごとに目標としている投資のスタイルの診断がなされます。

投資におけるポートフォリオとは、保有する複数の異なる資産の組み合わせを指します。ポートフォリオを構成する資産には、株式、債券、不動産、商品、通貨などがあり、異なる資産の相関関係には傾向があります。例えば、株式と債券は逆相関の関係にあることが多いため、株式と債券を組み合わせることで、投資ポートフォリオ全体のリスクを低減することができます。また、投資家は、自身の投資目的と目標リターンやリスク許容度に合わせて、最適なポートフォリオを構築する必要があります。例えば、年齢によって、リスクの高い株式投資に重点を置き長期的な成長を目指す若年層に対して、高齢者は低リスクの債券投資に重点を置くなど安定的な運用を目指すことが一般的です。

ロボアドバイザーサービスのひとつの特徴は、ポートフォリオ最適化で、それぞれの投資目的やリスク許容度に合わせたポートフォリオの構築をロボアドバイザーが行って提案されることにより、専門知識や経験がなくても手軽に投資を始めることができるサービスであるということです。

基本的な運用手法と投資対象

現代ポートフォリオ理論(Modern portfolio theory, MPT) と平均分散法

多くのロボアドバイザーの運用手法は、「現代ポートフォリオ理論」(Modern portfolio theory, MPT)に基づいたアルゴリズムによって構築されています。現代ポートフォリオ理論は、1952 年にハリー・マルコヴッツ(Harry Markowitz)氏が発表した「平均分散法」の理論から研究を進めていったものです。この理論は、リスクとリターンのバランスを考慮して、効率的なポートフォリオの資産割合を決定するのに現代でも役立てられていて、1990年にマルコヴッツ氏はノーベル経済学賞を受賞しています。

ロボアドバイザーサービスの投資対象は、上場投資信託(ETF)やインデックス・ファンドが多いです。現代ポートフォリオ理論では、分散投資を行うことで、リスクを減らしながら一定のリターンを得ることができるとされていて、分散投資を低コストで行うことができる上場投資信託(ETF)やインデックス・ファンドは、投資対象として使い勝手がよいというのがその理由のひとつとしてあげられます。

分散投資

分散投資とは、投資資産を複数の異なる資産に分散させる投資手法のことです。株式、債券、不動産、商品などの異なる資産クラスや、同じ資産クラスでも異なる業種、地域、企業などを組み合わせて投資することで、ポートフォリオ全体の市場の変動によるリスクを分散することができます。例えば、株価が下落した場合、債券や不動産などの他の資産がプラスのリターンを出していれば、ポートフォリオ全体では株式の損失をある程度は補うことができます。分散投資は、リスクを分散させ、一定のリターンが期待できる投資手法として、広く用いられています。

ロボアドバイザーの運用成績

ロボアドバイザーの利用を検討する際に、だれもが最も興味をもつのは、その運用成績なのではないでしょうか。現代ポートフォリオ理論を基にして、どのようなアルゴリズムを用いるのかは各社違いがあり、その違いによってパフォーマンスにも違いが出てきます。

運用実績を公表しているロボアドバイザーのなかから、その実力を探ってみましょう。

ROBOPRO

ROBOPROは、AIによる予測技術を利用して期待リターンを算出し、積極的な利益の追求や損失の軽減を目指す資産運用サービスです。
AIを駆使し、人には難しい「ビッグデータ解析・機械学習」「合理的な判断」を行います。

ROBOPROは、AIのビッグデータ解析や機械学習を活用した、全自動の資産運用サービスです。

40以上もの膨大なマーケットデータを効率的・正確に分析し、景気動向に合わせた資産配分、相場の危機の予測、金融市場の変化に対応した自動運用が期待できるのが特徴です。また、定期的な機械学習によって、運用アルゴリズムの改善や最適化を行い、パフォーマンスの最大化と精度の向上を目指しています。最低投資金額は10万円からで、手軽に全自動の資産運用サービスを利用することができます。

ON COMPASS

ON COMPASS(オン コンパス)は、マネックス・セゾン・バンガード投資顧問が投資一任契約に基づいて運用を行う、ロボアドバイザーを活用した資産運用・管理(ラップ)サービスです。米国の大手運用会社であるバンガードの知見やノウハウを活用したサービスを、1万円から利用することができます。

ロボアドバイザーでの運用の特徴

各社が公表している運用状況のグラフをみると、金融危機などの局面では、少なからず市場の変動から影響を受けていることがみてとれます。このリスクは、投資である以上避けられないことで、他の運用手段と同様に、ロボアドバイザー運用は必ずしも儲かるわけではないということです。

しかし、少なくとも各社の公表している運用成績からは、評価できることがいくつかあります。

ひとつ目は、危機的状況での下げ幅が和らげられているということです。これは、分散投資による投資リスクの分散の効果によるものですが、運用のポートフォリオのリスク許容度の設定によっても程度の差があります。

ふたつ目は、長期的にみると、危機時のマイナスから回復していて、プラス傾向のパフォーマンスであるということです。危機時からの回復速度や回復度合い、長期的なプラスの度合いは、それぞれのロボアドバイザーの方針と組み換えや運用の力量によるものといえます。

ロボアドバイザーの優位性は?

ロボアドバイザーの優位性は、以下の点においてあるといえます。

  1. 分散投資が手軽にできる
  2. 感情がないという優位性

1.分散投資が手軽にできる
ロボアドバイザーサービスを利用すると、分散投資の理論に基づいた投資を、だれでも手軽に始めることができます。理論に則れば必ず利益を上げることができるというわけではありませんが、経験豊富なすご腕投資家でもない限りは、一定のリターンを得るのには理論を学ぶこと以上に効率的な方法はありません。金融工学に限らず、ひとつの学問を習得して博士レベルの研究と実績を出すのに、人間が学習したら果たしてどのくらいの時間と労力がかかるのかと考えたところにもロボアドバイザーサービスの価値があるのではないでしょうか。
逆に、分散投資以外の手法で投資を行いたい人には、ロボアドバイザーはおすすめしません。

2.感情がないという優位性
人間には、「情」や「欲」というものがあります。危険な状況にもかかわらず、なかなか損切ができなかったり、欲を出したがために大損を被ったりすることは、投資においても珍しいことではありません。情欲は、人間の判断を狂わすもので、投資家にとっては最大の敵といっても過言ではありません。情や欲がないロボットは、その点では有利です。一時の情欲に流されることもなく、理論に則った緻密な計算の結果どおりに淡々と取引を行えるのは、ロボアドバイザーの大きな強みであるといえます。

【その2】ロボアドバイザー運用は失敗が多い?  失敗の原因と対策

投資にはリスクがあり、どんな運用手段を選択としても、失敗のない投資というものはないのですが、ロボアドバイザー運用でのよくある失敗の原因と対策について考えてみましょう。

ミスマッチによるもの

いくつかの質問に答えるだけで運用プランの選択がなされるサービスでは、顧客のリスク許容度の測定やニーズなどのプロファイリングを正確に行うには不十分な可能性があり、ミスマッチが起きる可能性があります。初心者の場合は特に、自分のリスク許容度の正確な把握が難しいことも考えられます。よくわからなかったり不安に感じるときには、質問に適当に答えてすぐに開始してしまわずに、問い合わせたり自分で調べたりして納得してから開始しましょう。より細かい質問事項や設定の調整ができる他のロボアドバイザーを選択するなど、自分に合ったサービスを選択しましょう。カスタマーサポートの質も重要な要素のひとつです。

よくある失敗の原因

ロボアドバイザーはおすすめしない? ロボアドバイザーでよくある失敗
ロボアドバイザーはおすすめしない? ロボアドバイザーでよくある失敗

よくある失敗の原因は、不測の事態で元本割れの状況に耐えられずに解約してしまう場合や、ロボに頼りすぎていてなにも考えずに投資している場合です。

同じロボアドバイザーを利用していても、運用の開始と停止のタイミングによっても結果は大きく異なります。ロボアドバイザーは、相場が下落局面でも必ず一定のリターンが確保できるような運用を自動で行っているわけではなく、市場のリスクからの影響は避けられません。危機的状況下では、崖を転げ落ちるように、上昇のときよりも下げ幅がきついものですが、投資家心理から言っても、資産の減少は痛みを感じ、マイナスでの推移のほうが、プラスでの推移よりも痛みを強く感じる傾向があります。初めての投資では、市場の動きが実際には想像できていないことも多いです。投資は必ず自己の余剰資金で行い、どんな状況でも、慌て過ぎずに冷静に判断して行動しましょう。

それから、自身ではなにも考えずにロボ任せで投資をしている場合も、振るわない結果に終わる可能性があります。例えば、積み立て投資は、リスクの分散もできる手法として一般的ですが、単純な積み立てを行うのと戦略的に積み立てたのではパフォーマンスに大きな差が生まれます。そのあたりもそれぞれのロボアドバイザーの実力のみせどころといったところですが、自動であってもすべてロボ任せにするのではなく、どのような調整は行ってどのような調整は行わないのかなど具体的に把握しましょう。

ロボアドバイザーサービスを選ぶときには、為替にも注意しましょう。多くのロボアドバイザーの投資対象であるETFには、為替ヘッジありのものとヘッジなしのものがあります。例えば、Wealth Naviは、資産配分の最適化は米ドル建てで行っており、為替ヘッジは行っていません。

【その3】自動でおまかせ運用できるのはロボアドバイザーだけ?

すべてが全自動というわけではない

運用を開始すると、時間の経過とともに、開始時に設定したポートフォリオの資産構成比率のバランスに変化がでてきます。ですから、それを調整して最適化する「リバランス」の必要性がでてきます。ロボアドバイザーサービスには、ポートフォリオを最適化しながら自動で運用してくれる「投資一任型」と、ポートフォリオを最適な状態に保つための提案をしてくれるが、判断や実際の売買は自分で行わなければいけない「アドバイス型」があります。両方の型のサービスを用意している会社もあります。

ロボアドバイザーサービスの内容は提供会社によってそれぞれで、すべてが全自動で運用を任せられるというわけではありません。“おまかせ”で運用したいという方は、投資一任型のサービスのなかから、自動で行われる内容の詳細を確認してから選ぶ必要があります。過度な期待をもたないことも大切です。サービス内容の理解が十分にできていないまま利用した場合、「【その2】ロボアドバイザー運用は失敗が多い? 失敗の原因と対策」ですでに述べたミスマッチによる失敗につながりやすいといえます。

ロボアドバイザーの投資手法の例

ロボアドバイザーの投資手法の例としては、以下のようなものがあります。

  1. ポートフォリオ最適化
  2. タクティカル・アセット・アロケーション(TAA)
  3. 税効率の最適化

1.ポートフォリオ最適化
ロボアドバイザーは、個人のプロファイルに基づいて最適と思われるポートフォリオを構築します。個人のリスク許容度と収益目標に基づいて、複数の資産クラス(株式、債券、商品、不動産など)を最適な割合で組み合わせることで、リスクを最小限にしながら収益を最大化します。

2.タクティカル・アセット・アロケーション(TAA)
一部のロボアドバイザーには、モデルポートフォリオに基づく投資に加えて、市場の状況に応じたタクティカル・アセット・アロケーションを行うものがあります。タクティカル・アセット・アロケーションとは、市場の変化や景気動向に応じて、ポートフォリオの資産クラスごとの配分を戦略的に調整する手法です。定期的に資産配分を見直して変更することで、投資家のリスク許容度と目標リターンに合わせたポートフォリオの運用を行います。

3.税効率の最適化
一部のロボアドバイザーでは、自動で税金の最適化を行っています。資産の買い付け時や売却時に、税金の負担が最小限になるように損益相殺する手法です。

NISA(少額投資非課税制度)に対応したサービスを提供している会社もあります。ただし、NISA対応プランでは購入銘柄が限定されたり、投資手法に通常プランとの差がある場合があります。NISAの非課税口座の税負担の軽減効果を活用する以外には、積み立てで調整する手法もあります。

いくつかのロボアドバイザーサービスについてみてゆくと、SUSTENとWealth Naviでは、NISAに対応しています。SUSTENでは、つみたてNISAのみの取扱いで、一般NISAの取扱いはありません。また、「つみたてNISA」のプランと「おまかせ投資」のプランでは、アルゴリズムに違いがあります。Wealth Naviの「おまかせNISA」では、購入銘柄が限定され、ポートフォリオのリバランスはNISA口座内保有の資産は売らずに、通常の口座の保有資産で調整するなどして行います。積み立ての追加購入でポートフォリオの調整をする手法は、税効率化の手段として別段特別なものではありませんが、投資枠の再利用の不可や、購入金額の上限や取扱い銘柄に条件があるなどNISA制度特有の要件のなかで運用を行うため、このような違いがあるものと考えられます。

その他にも選択肢はある

ロボアドバイザー以外に、運用をある程度任せられる方法をご紹介します。

上場投資信託(ETF)と投資信託
すでに述べたように、多くのロボアドバイザーの投資対象はETF(上場投資信託)やインデックス・ファンドです。ロボアドバイザーではなく、上場投資信託(ETF)や投資信託の商品を自分で選んで購入するというのもひとつの手段です。

投資信託を購入した場合に支払う費用に、信託報酬があります。信託報酬は、商品ごとに設定されていますが、一般的には0.5%〜2%程度が相場になっています。信託報酬が0.1%以下の低コストを売りにした商品も一部あります。信託報酬は、商品の種類によっても異なり、インデックス・ファンドなどのパッシブ運用の投資信託は、運用費用を抑えることを目的のひとつとして、信託報酬が低く設定されていることが多いです。投資対象の地域や銘柄によっても異なりますが、株式投資に特化した商品は、一般的に、信託報酬が高くなる傾向があります。

ただし、投資信託にも種類があって、ひとつの商品ですべて最適なバランスで分散投資ができるものばかりではありません。バランス型の投資信託は、自動でリバランスをする商品ですが、資産ごとの特徴や経済情勢などの基本的知識がある程度はあって、商品を見極める基礎知識があるのであれば、信託報酬とパフォーマンスの兼ね合いを考慮しながら選ぶというのも選択肢のひとつとなり得るでしょう。その際、自社運用を行うETFを投資対象にすることによってコストを抑えているロボアドバイザーや、一般的には購入できない専用商品に投資しているロボアドバイザーもあるということも検討材料にするとよいでしょう。

投資顧問会社
投資顧問の利用にかかる費用は、投資顧問会社やサービスによって異なります。そのうち、ポートフォリオの利益や収益に対して一定の割合で計算される成果報酬の一般的な相場は、ポートフォリオの収益の10%から20%程度です。投資顧問は、基本的には、個人ごとにカスタマイズさせたサービスを提供するので、かかる費用が高めなことが多いです。

ロボアドバイザーの手数料比較
ロボアドバイザーの手数料比較(各社ホームページ公表情報から作成)

【その4】高額な手数料を取られる?

各社の手数料比較

手数料の料金体系には、固定型とプロフィットシェア型の2種類のタイプがあります。固定型は、あらかじめ決められた年率が手数料として課されます。投資一任型のロボアドバイザーの手数料の相場は、2023年現在、年率1%程度です。プロフィットシェア型は、利益が出た月のみ、あらかじめ決められた率の手数料が利益に対して課されます。どちらも、預けた資産から差し引かれて徴収されます。

今回比較した4社の投資一任型のなかでは、ROBOPRO、Wealth Navi、ON COMPASSは固定型で、SUSTENも固定で年率0.022~0.099%と低く設定されていて過去最高益を更新した月のみ一定の成功報酬がさらに加算される手数料体系になっています。SUSTENの「おまかせNISA」の手数料は、年率約0.3%(税込)ですが、全額ポイント還元され実質無料で運用することができます。

証券口座の選び方の解説

マネックスアドバイザーは、マネックス証券のアドバイス型サービスのため、マネックス証券の上場株式の取引と同じ手数料体系です。特徴のひとつは運用コストの低さで、一般的な投資一任型のサービスの半額程度の年0.50%前後に抑えられています。利用開始時に簡単な質問に答えることで運用プランが提案されるのは他のアドバイス型のサービスと同様ですが、マネックスアドバイザーは運用を始めた後でもポートフォリオを自分で自由にカスタマイズすることができます。カスタマイズは、自身の金融市場の見通しはもちろん、マーケットの専門家の見通しを反映させて行うこともできます。

マネックス証券は、主要ネット証券のなかでも手数料の水準が安く、インターネットでの投資信託の購入時申込手数料はすべて無料(ノーロード)です。投資信託以外にも、株式や債券、FX、先物、金・プラチナ・銀など幅広い金融商品を取り扱っています。外国株は米国株と中国株のみですが、米国株の取扱銘柄数が豊富です。通常の証券口座(「証券総合取引口座」)の他に「暗号資産CFD口座」を開設すれば、暗号資産への投資も可能です。(「暗号資産CFD口座」の開設には審査があり、開設できない場合もあります)。マネックス証券の口座があれば、マネックスアドバイザーによるポートフォリオの提案までの利用自体は無料なので、商品の購入を行わなくても活用することができます。

損するケース

ロボアドバイザーサービスの手数料を支払って資産運用をするのは、損な人もいます。例えば、以下のような場合です。

  1. 自分で運用できて高い利益を出せる人
  2. 多額の資金を運用する人

1.自分で運用できて高い利益を出せる人
投資信託やETFも含めて、商品を選び効果的なポートフォリオを組んで運用することができる人は、ロボアドバイザーは利用しないほうがよいかもしれません。ただし、自己運用する場合は、手数料のみの比較では一見低コストにみえても、市場の状況に対応しながらポートフォリオの組み換えや買い増しなどで取引を重ねるにつれて費用はかさみ、実際には、必ずしもロボアドバイザーに比べて低コストであるとは言いきれないこともあります。場合にもよりますが、ロボアドバイザーよりも高い利益を出せるという人は、自分で運用したほうがよいでしょう。

2.多額の資金を運用する人
投資一任型のロボアドバイザーの手数料の相場は年1%程度で、投資信託や投資顧問の相場に比べれば、低コストであるといえます。年1%程度の負担で、専門知識がなくても分散投資が手軽にできて、ある程度運用を任せることができるのだとすれば、ロボアドバイザーの手数料は割に合っているものなのではないでしょうか。しかし、億円単位の多額の資金を投資する人にとっては、人間のアドバイザーなどのロボアドバイザー以外の方法の方が、コストがかからないかもしれません。

ロボアドバイザーを利用するときの注意点

ロボアドバイザーサービスを初めて利用する場合には、以下のポイントに注意することが重要です。

  1. 透明性と信頼性
  2. 自身のリスク許容度の理解
  3. 運用成績の定期的な確認
  4. 資金管理の徹底

1.透明性と信頼性
ロボアドバイザーを提供する会社の実績、セキュリティ対策、運用方針や運用手法、運用実績の公開状況などを確認して、情報の透明性が高くて信頼性のある会社のサービスを選ぶこと。複数のロボアドバイザーの特徴や運用成績などの情報を比較し、自身にとって最適だと納得したサービスを利用すること。

2.自身のリスク許容度の理解
ロボアドバイザーは、投資家のリスク許容度に基づいてポートフォリオを構築します。初心者の場合は特に、自身のリスク許容度を正確に理解し、それに合ったロボアドバイザーやプランを選ぶことが重要です。

3.運用成績の定期的な確認
運用開始後もロボアドバイザーにまかせきりにするのではなく、定期的に運用成績を確認することは大切です。必要であれば、ポートフォリオの調整や切り替えを検討しましょう。

4.資金管理の徹底
ロボアドバイザーに限らず、投資にあてる資金は、自己の余剰資金の範囲内で行うことは鉄則です。ロボアドバイザーに過剰に依存すぎないようにしましょう。

これらのポイントに留意し、適切なリスク管理を行うことで、初心者でも安心してロボアドバイザーを利用することができます。世界的に急速に普及が進んできているロボアドバイザーですが、「だれかの意見を鵜呑みにするのではなく、自分で情報を得て判断して決める」というのは、本来、生活のさまざまな場面で求められることであって、ロボアドバイザーに限られたことではありません。

【その5】自動運用ならば投資の勉強はする必要がない?

まず、しっかりと認識しなければならないことは、ロボアドバイザーは“ツール”のひとつであるということです。失敗しないためにも、過度な期待はすべきではありません。

“ツール”、すなわち“道具”というものは、使いようでいかようにもなります。ロボアドバイザーを利用していても、すべて頼りっきり任せっきりというのでは上手くはいかないでしょう。道具を上手く使いこなして利益を上げるには、全自動のロボアドバイザーサービスを選択したとしても、投資の勉強は絶対に必要です。少なくとも、どのロボアドバイザーを選択するのかと、利用の開始と中止の判断は、自分で行わなければいけません。全自動をうたうサービスを選択するにしても、運用方針やパフォーマンスの良し悪しの見極めには、勉強をして基礎的な知識を得る必要があります。

投資の勉強には、多大な時間と労力が必要ですが、人間の一生の時間は限られています。それほどの時間と労力を投資にかけられない人も少なくはないわけですが、時は待ってはくれません。ロボアドバイザーを利用しながら学ぶなど、投資への入口として補助輪のように利用するというのもひとつの方法だと私は思います。

ロボアドバイザーサービスを利用する場合に限ったことではありませんが、投資家として成長するもしないも自分次第です。

ロボアドバイザーはおすすめしない?

結局のところ、ロボアドバイザーはおすすめしない? の答えは、個人によるというのが結論です。上手く使いこなせる人にはおすすめしますが、そうではない人にはおすすめしません。

どの時代にも革新的なものはあるわけですが、新しいものには疑心暗鬼な人や保守的で批判的な人もいれば、新しもの好きな人や便利なものなのであれば積極的に利用したい人など、それぞれでしょう。自分で資産を構築するのが当たり前の時代になった今、自分にとって利用価値が見出せるものなのであれば、上手く使いこなして資産形成に役立てたいものです。

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