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ソフィア|プロフィール


Sophia
ソフィア

ファイナンシャルプランナー

はじめまして。
ファイナンシャルプランナーのソフィアです。

私は2020年のコロナ禍のなか、乳がんの治療を受け始めました。それ以降、治療の経験とお金の専門家ファイナンシャルプランナーとしての視点から、乳がん治療で役立つお金の情報のコンテンツの発信や、乳がん経験者のコミュニティー「Pink Lily Club(ピンクリリークラブ)」の運営を行っています。

私が乳がんになって味わったのは、これまでにないほどの完全なる敗北感でした。がんの治療で生き延びたものの、きつい治療の連続で身体はボロボロ。副作用でそれまで当たり前にできていたことができなくなり、一生懸命がんばって積み上げてきたものは瞬時に崩れ落ち、失うものも多いという現実に直面しました。空虚な心はネガティブな思考へ向かい、自分自身の心をさらに蝕み、絶望する日々。急速に衰えた自分に、すっかり自信を失くしてしまいました。この状況から、コンテンツの発信やコミュニティー運営の活動をはじめるに至ったのには、ある理由があります。ご興味がある方は、読み進めていただければと思います。

私の過去

私が海外留学を経た後に就職したのは、外資系金融機関でした。実際に働きだしてみて、私は愕然としました。金融機関だからといって、すべての社員がプロフェッショナルなわけではありません。自分の力不足も感じていました。照らす光が強ければ強いほど、深く黒い影が落とされるものです。輝かしい経歴に見えるかもしれませんが、外資系金融機関という世界の影は深く、熾烈な競争が繰り広げられ、嫉妬や妬みなどのネガティブ感情が渦巻く環境での人間関係のストレスは、私にとっては辛く厳しいものでした。働き始めてから間もなくして、不可解な症状がいくつも出てきて、体調は目に見えて悪くなってゆきました。

当時、周囲でうつ病で長期間休職する同僚がやけに多い職場だなとは思ってはいましたが、自分はそうなるはずがないと信じて疑いませんでした。それに、忙しくて、休んでいる暇もありませんでした。そして、なによりも、たとえ自分が病気になったとしても、だれにも知られたくはないという強い思いがありました。根っからの負けず嫌いの性分の私にとっては、自分が病気になって弱っていることを周囲に知られることは、「敗北」を意味しました。

今思えば、自分も体の不調の原因に早く気づいて、休職して自分の心身の声に耳を傾けて、ゆっくりと回復させる期間が必要だったのかもしれません。体調が悪いときには、身体は休めたほうがよかったのかもしれません。しかし、当時の私には「謎のスポーツ根性」のようなものがあって、スポーツジムに行ったり、ジョギングをしたりして、身体に負荷をかけ続け、辛くても肩肘を張って元気なふりをして、負けないように必死で食らいつく日々を送り続けました。朝は2時間早く出社してその日の業務の準備を行い、昼休みはもちろん、往復の通勤時間も満員電車に揉まれながら本と蛍光マーカーを握りしめての勉強です。そして、ひたすら必死にくらいついて、がむしゃらに働いてきたところからの「乳がん宣告」でした。

きっかけとこだわり

乳がん患者となった私が、最初に驚いたことは、医療業界も含めて、この国の社会では、がん患者をターゲットにした悪徳商法のようなものが横行していてもよいのだろうかというところでした。がんを治療する上で情報は重要なわけですが、正確な情報が少なすぎると感じました。健康だったときには、あまり深刻に感じなかったことでした。自分たちに都合のよいことばかりを言って、がん患者に高額な商材を売ったり、エビデンスのない治療を高額で売ったりする人たちの存在を知りました。もちろん、そうではない人もいるのですが……。既に述べたように、根っからの負けず嫌いの性分の私。病気になった弱みに漬け込まれてカモられているように感じて、屈辱感、敗北感、怒りを感じました。がん治療を受けるなんてことは、だれの人生にとっても一大事なはずです。しかも、がんの罹患者数は増えてきていて、2人にひとりが生涯でがんになるというデータもあります。がん治療は、もはや、だれにとっても対岸の火事ではないはずなのですが、私は悲しい現実の数々を目の当たりにすることになったのです。

「真に役立つ正しい情報と、そうではない情報を見分ける目をもつ人が、もっと増えて欲しい」という思いを胸に抱いて、抗がん剤の副作用のケモブレインで頭も回らないなか、独立系ファイナンシャルプランナーとして、中立的な視点からの乳がん治療費の情報を少しずつ発信し始めました。

私が発信するコンテンツの根本には必ず、「正確さ」や「忠実さ」へのこだわりがあります。商品に関する記事であれば、「自分であったら買うかどうか」や「家族や友人にも薦めるかどうか」というひとりの消費者としての視点も大切にしています。自分であればこの次元まで検討してから購入するというところまでを、中立的な視点からわかりやすくまとめることを心がけています。

大切なもの

それまで肩肘を張って精いっぱい強がって生きてきた私ですが、乳がんになって完全なる敗北感を味わった後に気づいたのは、自分が生きてきた40年以上もの人生のなかで欠けていた、大切なものの存在でした。それは、「楽しむこと」と「人とのつながり」です。

子どものころの学校の通知表の先生からのコメント欄には、必ずといってよいほど「がんばり屋さん」と書かれていました。がんばって、がんばって、完璧にならなければいけない生育環境でした。社会で働くようになっても、その延長線でがんばり続けた結果、私には「楽しむこと」がなかったのです。自分が「楽しい」と感じることを基準にして、行動することなどありませんでした。やらなければならないことをやり、やるからには結果を出さなければ意味がないという意識が、常に頭のなかにつきまとっていました。これまでがんばって積み上げてきたものの多くを、病気の治療によって失われた今、空虚な気持ちになる理由のひとつは、そこにあるのだということに私は気づきました。乳がん治療もひと段落したころに、私が乳がん経験者のコミュニティーの運営をはじめた理由も、そこにあります。「人とのつながり」を楽しむということが、これまでの私にはなかったのです。

捨てる神あれば拾う神あり、七転び八起き、そして、一期一会。

私は、乳がんになんて、なりたくありませんでした。なりたい人など、いなくて当然です。でも、乳がんになったことで、大切なものへの気づきや、人間としての学びなど、得ることができたのも確かな事実なのです。これからの残りの人生ぐらいは、自分が「楽しい」と感じるかどうかを基準に、自分の心にも正直に生きていこうと思います。それゆえに、「人とのつながり」を楽しむことを目的として、経験や考えを分かち合える乳がん経験者のコミュニティー「Pink Lily Club(ピンクリリークラブ)」を運営しています。

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。このご縁に、お友だちになっていただけたら、とても嬉しく思います。